「スポーツにけがはつきものだよ」
スポーツをやっている上でこんなことは常々言われています。
僕も学生のころはそう思っていましたし、指導者・保護者・選手みんなそう思っていると思います。
しかし、理学療法士になってスポーツ障害に携わるようになってからが「怪我は予防が可能である」と考えるようになりました。
バスケットボールのトレーナーをさせてもらっている時も1年間ではありますが、関わらせて頂いた前年と比較しても怪我の%(パーセンテージ)を減少させ、外傷(打撲)以外は防ぐことが可能でした。
傷害・障害
実際、怪我というのは一般的な言葉で、スポーツの世界では傷害・障害と分けられています。
傷害
いわゆる外傷。捻挫・肉離れ・打撲など・・・
障害
ストレスの反復により発生。オスグッド・シンスプリントなど・・・
傷害のうち、コンタクト(相手との接触)により生じるものはいわゆるアクシデント要素が非常に強いです。
→着地時に相手の足を踏んで捻挫、膝がモモに入って打撲など・・・
(こちらも防げると考えておりますがこれは別の記事に)
一方、障害に関して言えば、あまり大きなアクシデント要素は少なく、常日頃のストレスが生じ、ある境に痛みが出現するというのが非常に多いです。
つまり、本人に何かしらの悪い原因・習慣があるということです。
と、いうことは予防が可能ということです。
簡単に説明すると
- ミスユース(間違った身体の使い方)
- オーバーユース(練習・トレーニングのやりすぎによるもの)
大きく分けてこの2つに分類されますが、別々に起こるというのはあまりなく、同時に組み合わさって発生します。
ミスユースへの対応
間違った身体の使い方によって発生する慢性障害です。
例えば、膝が内側に入ってしまう癖のある選手は前十字靭帯損傷の可能性が高まったり、膝が前に抜けてしまう選手はオスグッドやジャンパー膝になりやすかったりします。
バスケットボール選手ではパワーポジションがうまく取れずに悪い姿勢のままプレイしている選手が多い印象を受けます。
背中が丸く猫背(円背姿勢)の選手は膝が前方に抜けたり、足関節が硬くて膝を曲げざるを得ない状態もあり、一概に膝が悪いからとかその痛めた個所に問題がないケースもあります。
競技中に悪い姿勢のままプレイを続けていると、繰り返される動作によりストレスが生じ痛みが出てしまう、といったことがおこります。
じゃあ、意識してプレイすればいいんでしょ?
そんな簡単に意識できたらみんな怪我ないです!
となった場合、
- W-UP
- トレーニング
を活用します。
W-UPで、ジャンプ系の動作があればジャンプの動作、着地の動作にこだわって行うことが一つの改善策につながります。
意識して意識してを繰り返せば、身体は覚える効果があり、それが無意識化に落とし込まれます。
トレーニングに関しては、ウエイトを用いる場合はゆっくりとした動作になるので、自分の動きを意識しやすかったり、自分の弱点
(例えば股関節が硬い)であれば柔軟を増やしたりすることで動きを変えることが可能です。
身体に正しい動きを刷り込ませることで、ミスユースは改善されると考えます。
オーバーユースへの対応
トレーナーだけでなく、指導者・コーチ・保護者との連携が必要となります。
また選手もコンディショニングを整えるための柔軟であったり睡眠、栄養など自分でできることもたくさんあります。
まとめ
障害を防ぐために
ミスユースの改善
一つ一つの動作にこだわる
負担のかかっている部位とは別の場所の改善
オーバーユースの改善
チームでの連携
選手自身で考え身体のコンディショニングを整える