こんにちは!
今年度、京都ハンナリーズU15ATから千葉ジェッツU18ATに移動致しました河野です!
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10月も中頃になりました。
寒い日がついに!現れました。
暑いとつい文句を言ってしまうのですが、
急に夏感がなくなるとそれはそれで寂しく感じます!笑
そんな名残惜しい気持ちを残し、季節の変わり目。
寒くなってくると、
「腰が痛くてかがめない」
「朝ベッドから起きようとしたら急に腰を痛めてしまった」
こんな症状が出てくる方も多いはずです。
今回は、「腰痛や背部痛」に効くと言われている「委中」という経穴をご紹介していきたいと思います。
前回ご紹介した四総穴の、合谷・足三里に続く3つ目の経穴です。
目次
背中と腰の問題にはこの経穴
四総穴の歌には
「腰背委中求」
と記載されております。
これを訳すと
「腰部から背部の病には委中が効く」
といった意味になります。
その為、背中と腰の問題は四総穴でいうと「委中」で解決できると伝わっております。
ちなみに「四総穴」の漢字の意味は、、、
- 四:身体を四つに分類
- 総:支配する
- 穴:経穴
つまり、身体を四つに分けて考えます。
その4区分それぞれに対応した経穴が存在すると捉える事ができます。
それでは、「委中」に関して詳しくみていきます!
1、委中の場所と所属
まずは、「委中」の場所です。
委中:膝後面、膝窩横紋の中点。
いわゆる「膝の裏側の中央」です。
前回の「合谷」に関する記事で、ツボは正経十二経脈と説明しました。
12本の道としてグループ分けができるというお話をしました。
「委中」は12本の道の「足の太陽膀胱経」というグループに属します。
「足の太陽膀胱経」の道筋は、
眼の内側から始まり後頭部・背中・腰・お尻・太もも裏・ふくらはぎ・足の外側を通り、小指の爪の外側で終わります。
要するに、主に身体の後ろ側を通っています。
「委中」と「腰」は「足の太陽膀胱経」というくくりで繋がっているのです。
その為、「委中」は腰痛に効くといわれています。
2、なぜ膝裏の経穴が腰痛に効くの?
この疑問に関して、
「答えはこれです!」
と一つに絞ることはできないです。
西洋医学的にも東洋医学的にも考え方は色々あります。
どちらの観点からみても答えは一つではなく、
様々な機序が絡み合い「効果」につながっています。
今回は、西洋医学的視点で考察します。
西洋医学的視点
カタカナと漢字が並ぶのですが西洋医学の観点から見ても、
痛みを抑える為の仕組みはいくつかに分けられます。
- ゲートコントロール説
- 下行性疼痛抑制系
- 広汎性侵害抑制調節(DNIC)
などがあります。
訳のわからない単語が並んでいますね。笑
実は、この中に私たちが無意識にとっている行動が含まれています。
それが、「ゲートコントロール説」と「DNIC」です。
簡単に説明していきます。
まず、「痛み」を感じる状態というのは、
例えば腕を怪我した際、「痛みの信号」が神経を伝って「脳の特定部位」へ伝わった結果です。
まだ難しいですね。
犯人を見つけた(受傷部位)→警察に連絡(神経)→警察に伝わる(脳に伝わる)
といったイメージです!
ですので、損傷があった場合でも「痛みの信号」が脳に届かなければ、
「痛み」を感じることはありません。
鍼灸治療では、鍼やお灸の刺激を使い、
損傷部から脳へ痛みを伝える経路を封鎖しています。
①ゲートコントロール説
脛をぶつけた時、その場所を押さえたりなでたりする事があると思います。
この行動で起こる鎮痛が「ゲートコントロール説」です。
皮膚をさすったりつねったりする刺激は、神経が脳へ伝達します。
細い神経(Aδ,C線維)は痛み、太い神経(Aβ線維)は触れられた際の感覚を
脳へ伝えます。
この刺激を伝える速度は、太い神経>細い神経となります。
ゲートコントロール説は、この神経の特性を利用します。
「痛みの信号」が脳へ届く前に、「触れられた際の感覚」を脳に届けることで、
「痛み」という感覚をさえぎります。
ぶつけた場所を思わずさすってしまうという現象は、
このゲートコントロール説を生じさせる為だったのです。
つまり、痛いの痛いの飛んでいけ!は最強です!
②DNIC
歯が痛い時にほっぺたや手をつねったりしたことはないでしょうか?
このような、痛みで痛みを和らげる方法が「DNIC」です。
DNICは身体のどの部分に痛み刺激を加えても起こります。
お腹が痛い時に、
手をつねる、足をつねる、ほっぺたをつねる、
どの部分をつねってもお腹の痛みをまぎらわせてくれます。
そして、加える痛み刺激が強ければ強い程、元の痛みを和らげてくれます。
人間の本能はすごいですね。
身体を守るため無意識にこのような痛み抑制を発生させているのですから驚きです!
膀胱経と筋膜の関連
「足の太陽膀胱経」と「筋膜」のつながりも面白いです。
ざっくりですが、ご紹介したいと思います!
そもそも、筋膜とは筋肉をおおっている薄い膜のことです。
この筋膜にも正経十二経脈のような繋がりがあります。
ここで紹介したい筋膜ラインは、SBL(Superficial Back Line)です!
これは、足の太陽膀胱経とほぼ同じラインを通ります。
大きくいうと、頭の腱膜、背中の筋肉、もも裏の筋肉、ふくらはぎの筋肉、足底の腱膜が、
筋膜でつながっています。
このように、「正経十二経脈」と「筋膜」も似ている部分が多く、
東洋医学と西洋医学も全く違うものでは無いように思わせてくれます。
東洋医学にある「陰陽説」のように、
全ての物には表裏があり全く切り離された物は無いんだなと感じます!
まとめ
身体に起こる症状には、一つではなく様々な事が関わり合って起こっています。
1つの目線にこだわるのではなく様々な角度から見る事ができれば、
より身体に関しての理解が深まり、面白いのではないのでしょうか!
ぜひ、腰が痛い時には試しに「委中」を使ってみて下さい!
読んで頂きありがとうございました!
<参考文献>
- よくわかる痛み・鎮痛の基本としくみ
- ツボ単
- 鍼灸臨床最新科学 – メカニズムとエビデンス –
- カンデル神経科学
- アナトミートレイン
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