こんにちは!
京都ハンナリーズU15トレーナーの河野です。
最近、少し暖かい日が増えてきましたね。
やっと寒さのピークを抜けたことに胸をなで下ろしております。
もう、布団から出る時に勇気を振り絞らなくてすみそうです!
こんな感じで実感している「季節の変わり目」
頭痛、めまい、肌荒れ、かぜ、、、いろいろな症状が出てきている方が
おられるのではないでしょうか。
今回は、そんな多種多様な症状に対応できる
「万能な経穴」をご紹介していきたいと思います。
前回ご紹介した四総穴の一つ、足三里に続く、二つ目の経穴です。
万能といわれるツボ
四総穴『合谷』です!
高血圧のツボともいわれており、
「高血圧 ツボ」とGoogleで検索をかけると
よく引っかかります。
ですので、ご存知の方もおられると思います。
ではまず、場所を確認していきましょう。
合谷にも二種類あり、
今回ご紹介しているのは、沢田流合谷です。
手をパーにした時にできる三角形の窪み。
そこの中央が沢田流合谷です。
お灸をする場合は、合谷を軽めに押してみて、動脈の拍動が感じられる部分にお灸をすえる事ができれば最も良いです。
沢田流というのは、 沢田健という鍼灸師なら一度は聞いたことのある名人鍼灸師の方が使っておられた 治療法のことです。
少し話が逸れてしまうのですが、
鍼灸治療には様々な流派と呼ばれるものがあります。
沢田流の他にも長野式や北辰会方式、経絡治療学会など。
治療の仕方がそれぞれ異なってきます。
例えば、少ない鍼で行う治療とたくさん鍼をうつ治療。
鍼灸学校を卒業したての私からしても
と思います。笑
ですが、それぞれのやり方にはそれぞれの考えがあってのものです。
結果的に患者さんの不調や痛みが治っているのならどれも間違いではないと思います。
そして、患者さんにも合う・合わないがあると思います。
鍼灸治療を受けてみたいと思ってくださっている方々にお伝えしたいのは、
1度行った鍼灸院で鍼灸は合わないな・・・と思うことがあるかもしれません。
それは、そこでの治療が合わなかったという事もありえるので、
鍼灸を嫌いにならないでください!
という事です。
そもそも、そうならない為にも鍼灸の良さを知って頂く為にも、
鍼灸師が頑張らないといけないですね。
1、効能は?
以下、万能といわれている「合谷」の効能です。
- 顔面疾患
- 目の疾患
- 鼻の疾患
- 頭痛
- 歯痛
- 肩こり
- 高血圧
- かぜ
など
主に、顔の部分の不調に効果があります。
それもそのはず!
四総穴の歌には、
「面目合谷収」→ 面目は合谷に収める
と記載があります。
すなわち、顔や目の疾患には合谷にお灸をすれば良いという事です。
2、合谷の所属
合谷はどこの経脈に所属しているかをみていきます。
ツボは、正経十二経脈の12本の道としてグループ分けができるのですが、合谷は「手の陽明大腸経」というグループに属します。
人差し指から始まり、前腕の外側、上腕外側を通り、肩、首、と続き最後は顔面部で終わります。
全部で20個の経穴で構成されています。
東洋医学では、全てのものは陰と陽に分けられる、という考えがあります。
正経十二経脈も陰と陽といった2つに分けて成り立っています。
東洋医学には、「臓」という概念もあります。
西洋医学で出てくる「臓器」のように各「臓」は役割をもっています。
そして、「臓」も陰陽に分ける事ができます。
陰経:肝・心・脾・肺・腎
陽経:胆・小腸・胃・大腸・膀胱
ここで、気をつけないといけないポイントがあります。
「肝」や「肺」など西洋医学の臓器の名前が出てきますが、上記はあくまで東洋医学としての呼び名(総称して「臓」)です。
西洋医学の肝臓や肺の事を指しているわけではないという事です。
そして、上記の「臓」の羅列を縦にペアを組みます。
肝と胆、心と小腸、脾と胃、肺と大腸、腎と膀胱
このペアは、「表裏関係」といって、
表と裏の関係でつながっています。
この仕組みが、合谷は鼻疾患に効くという「なぜ?」に繋がっていきます。
3、五行式体表
全てのものを自然界の属性に分けたものを五行といいます。
それを分かりやすくまとめた「五行式体表」というものがあります。
下の表でいくつかご紹介致します。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五腑 | 胆 | 小腸 | 胃 | 大腸 | 膀胱 |
五窮 | 目 | 舌 | 口 | 鼻 | 耳 |
五主 | 筋 | 血脈 | 肌肉 | 皮 | 骨 |
患者さんの症状のある部分を五行式体表に当てはめて治療を行ったりもします。
「合谷」が鼻疾患に効くということも、この表を用いて考えられます。
合谷は手の陽明大腸経に所属します。
大腸系の表裏関係は、手の太陰肺経です。
式体表の「肺」とある部分を縦にみると、「五窮」の覧に「鼻」とあります。
これらから、「合谷」「大腸経」「肺経」「鼻疾患」には関連性がある事がわかります。
よって、この関係性から「合谷」は「鼻疾患」に効くとされているのでしょう。
まとめ
今回は、東洋医学っぽい単語が多く出てきましたが、
これらを知る事で、より東洋医学の謎めいた部分を明かしていければいいなと思います。
是非、お試しください!