相浦
あ、本当ですか。
恥ずかしいですね。
理学療法士でトレーナーというのがまた勇気をもらいました。
理学療法士の養成校時代からスポーツ界は狭き門だよと!いうのはずっと言われてますから。
特にバスケ界は理学療法士の方が関わっていると言うのは少ないので尚、頑張ろうと思えましたね。
相浦
ありがとうございます。
Bリーグでも何人かいますけど少ないですもんね。
勇気づけられたなら良かったです。
今の僕があるのは相浦さんのお陰と言っても過言ではないんです(笑)
相浦
そんな大袈裟な(笑)
本当ですよ!
今はS&Cに大塚さんがおられますが、それまではトレーニングも相浦さんがプログラムされていたんですか?
相浦
そうです。
それまで一人だったので全て行っていました。
具体的に何が大変だったんでしょうか?
相浦
トレーニング自体のプログラムはまだ問題ないのですが、試合に出られなかった選手の対応ですよね。
所謂人手の問題なのですが、どうしても試合に出場した選手のケアや対応になってしまうんので・・・試合に出ていない選手を本来であれば動かしたいんですよね。
そうなると試合出ていない選手が後回しの様な状態になってしまいますもんね。
相浦
そうなんです。
“このプログラムでやっておいてね“
と言って渡しても実際は事細かく見れないですし完璧にはできないんですよね。
そこに大塚さんが加わってくれた事で試合に出ていない選手にも対応できる様になって非常に助かっています。
なるほど。
確かに一人で賄うには厳しいところがありますよね。
今シーズンまで1人でされていましたもんね。
相浦
最初の1年目の時は2人体制でした。
一昨年、ブラジルのHCになった時は数ヶ月ストレングスのコーチがいましたけど、それ以外は・・・今シーズンまで1人でしたね。
過酷ですね!
相浦
時間的には厳しかったですよね・・
理学療法士ってトレーニングの分野が弱いと思っているのですが、勉強などはされていたのでしょうか?
相浦
そうですね。
日々学びの最中ではあるのですが、JATI-ATI(JATI認定トレーニング指導者)の資格は持っていてそこで勉強をしたりしていました。
また大学や国体でのトレーナーの時も、どちらかというとトリートメントより予防の方に力を入れていました。
トレーニングに関してはその時から処方もしていたので実は治療よりトレーニングの分野の方が好きだったりもします。
それは強いですね。
コンディショニングも整えれてトレーニングも処方できる。
相浦
そこで痛みが出るのであれば痛みに対するアプローチだったりも行っていましたし。
なのでウエイトなどの勉強をしつつ。
尚且つ大学での経験が大きかったですね。
やっぱり学生にはトレーニングの方がウエイトを締めますよね。
相浦
大学の施設も結構大きかったので勉強に身が入りましたね。
札幌大学時代では男女両方ともトレーナーとして関わっていたんですか?
相浦
そうです。
元々は男子のチームに先輩がトレーナーとして関わっていたんですよ。
僕が入職して見学に行かせてもらった時に、女子バスケ部にトレーナーがいないと相談がありました。
そこから先ず女子の方に関わっていました。
その翌年に先輩が退職されて男子も依頼されて両方関わる事になりました。
それめちゃくちゃ大変じゃないですか!!
相浦
大変でしたね。
ただ、環境面が良くて働いていた病院の隣が大学だったんですよ。
なので仕事が終わってすぐに行けると。
怪我してもすぐに病院に送れるパイプも出来ていたので環境的にはかなりよかったです。
環境が羨ましすぎます!
バスケ以外にも高校野球のサポートやマラソンやスキーのメディカルサポートに関わられています。
病院的にはどんどん外部での活動はOKだったんですか?
相浦
そうです。
そこはOKでした。
有給を使って全て行っていたのでほぼ有給は消化していましたね(笑)
すごいですね!
それどれくらいの期間続けられたんですか?
相浦
5年くらいですかね。
今それやれ!って言われたらきついですけど(笑)
きついですよねそれ・・(笑)
理学療法士がトレーナーとしてチームに関わる強みは相浦さんの中でどんな事が挙げられますか?
相浦
僕の中では解剖・運動・生理学がかなり強いと言う事!
歩行分析や動作分析なんかも理学療法士の強みですよね。
痛い動作があればそれを分析する必要もありますし。
あとは術後の対応をしている事。
痛みに関しての知識なんかも豊富ですから。
逆にデメリットは何がありますか?
相浦
病院と同じ負荷量を現場でもやってしまいがちな点ですかね。
パフォーマンスアップに対してその負荷でいいの?
なんて事はありますよね。
それこそさっき話にあったトレーニングの所ですね。
実際、現場入りたての頃のあるあるですよね。
アスリハの延長になりがちですもんね。
相浦
そうなんですよ。
話を戻すとやっぱり解剖・運動・生理学はしっかり学んだ方がいいですよね。
今って色んな手技・手法ってあると思うんですけど、ベースが無いとそう言った技術も活かせないです。
またそう言った知識があるとそう言った手技や手法を自分の中に落とし込みやすいと思うんですよね。
まずは基礎、ベースですよね。
先ほど負荷量のお話があったのですが、負荷量の調節などどうされているんですか?
相浦
過去に1年程カタパルトを使用して負荷量をチェックしていました。
その経験則を用いて練習強度なんかもチームでの練習時間×負荷量と言うのを独自の方法ですが計算できる様になりました。
それをHCに今日の練習強度はこんな感じでした。
じゃあ明日の負荷量はこれくらいにしましょうと言った一週間のピリオダイゼーションが作れる様になってきました。
カタパルトを使用する前とは違いますか?
相浦
それまでは負荷量なんかも選手のフィーリングで痛みの感覚だったりしか判断できませんでした。
怪我から復帰した選手にもなんとなく自分の感覚で強度を調整したりしていました。
選手もプレーしないと生活がかかっているので痛みが多少あってもプレーしようとしますから。
データを見ながらここまで強度を上げようか、といった事もできる様になったのはかなり大きいですね。
怪我のパーセンテージなんかも下がりましたか?
相浦
そうですね。
最初の1年と比較して、年数が経つ毎に怪我のパーセンテージは減ってきていますね。
1度カタパルト使ってみたいんですけどね・・。
相浦
使いこなせるとかなり良いんですけど、かなり情報が多くて・・・。
情報処理してくれるアナリストとかがいないと大変です。
レバンガではどうされていたんですか?
相浦
僕は何個かをピックアップして追っています。
でもやろうと思ったら無数に数字が出てくるんで大変です。
大変ですね・・・
やっぱりやりたくなくなりましたね(笑)
相浦
(笑)
成る程・・・。
話がさらに脱線するのですが・・・
実は相浦さんのこの記事を読んでもう一度トレーナーを目指そうと思ったんですよ。
トレーナーってここまでしないといけないといけないのか!!
と衝撃を受けたのを覚えています。