〜 リアル 〜 眞田 崇S&C part.2


〜 リアル 〜 眞田 崇S&C part.1

2021年1月2日

 

ちくわ

スポーツ現場で働く理学療法士というのは養成校時代から厳しいよ、といった事はよく言われています。

眞田さんも理学療法士からスポーツの現場に携わられていますが、そこに関してどういった考えをお持ちでしょうか。

 

眞田

どうしても実習に行く場所では高齢者の方が多かったり、学校での座学もスポーツの内容が少ないことが多いですよね。

学びの場でスポーツの現場に携わるイメージがしづらいことが大きく影響しているのではないかと思っています。

自身が学生の時にケガをした事がきっかけで理学療法士を目指すという方が多い印象ですが、

学校に入学してみるとなかなかスポーツ現場が見える勉強ができないというギャップで諦めてしまう学生の方も多いのではないでしょうか。

 

 

ちくわ

学生時代ですと眞田さんは車椅子バスケットボールチームの千葉ホークスさんに関わられていました。

その時はどういった思いで現場に飛び込まれたのでしょうか。

そういった一歩踏み出す勇気って中々出ないと思うので是非、聞かせてください。

 

眞田

井上武彦さん(スラムダンク・バガボンド等の作者)が描かれている『リアル』。

これを読んだ事がきっかけです。

車椅子バスケを題材とした漫画はそれまで無かったので印象的でした。

漫画を読んで面白そうだなといった気持ちで飛び込みました。

自分の中では学生だったため勉強をさせてもらうといった意味で関わらせてもらっていました。

 

 

ちくわ

なるほど。

その後、養成校を卒業し理学療法士免許を取得した後、チームのトレーナーとして正式加入、車椅子バスケットボール日本代表のトレーナーにまで経験されています。

実際に理学療法士はなぜ目指されたのでしょうか。

 

眞田

学生時代、僕もバスケ部に所属していました。

高校生の時にACL(前十字靭帯)を断裂して、その時に出会った理学療法士の先生やトレーナーの方によくしてもらったというのがきっかけです。

高校3年生の進路を決める際に自分のリハビリ時代を振り返ってみて、やってみたいなという最初は比較的ライトな気持ちでした。 

 

 

ちくわ

それでもそういった経験は進路を決める大きな要素になりますよね。

今の宇都宮ブレックスでの働き方と車椅子バスケのトレーナー時代と比較して、違う所は多々あると思いますが教えていただいてもよろしいでしょうか。

 

眞田 

大まかに人の身体を診るという点は変わりありません。

車椅子バスケのトレーナー時代ですと、まず選手が障害を持った上で競技をしています。

脊髄損傷・下肢切断など選手個々の障害によってできる動き、できない動きを理解する必要がありました。

例えば、移動の際に遠征バスへの乗降時、段差昇降のサポートなども必要になります。

会場に行く際のルートは段差がない所をチョイスしたり、日常生活の事を今より考える事が多くありました。

エレベーターに乗る際も車椅子は幅がある分、一度にたくさんの選手は乗れません。

遠征先のホテルのエレベーターが一つか二つあるだけで、ホテルから体育館に向かう移動スケジュールが変わったりします。

今ですと会場に行く時にエレベーターに乗る際、人数を考えなくても問題なかったりしますがそういった事を考えるという点が車椅子バスケ時代と大きく違いますね。 

 

 

ちくわ

なるほど。

移動時間の予想なんかも変わってきますよね。

 

眞田

そうですね。

トレーナーの仕事という観点とは違ってくる部分にはなりますが、

チームスケジュールを考える上ではこういった事は非常に重要になっていました。

 

 

ちくわ

勉強になります。

眞田さんは元々Bリーグでのトレーナーを目指されていたのでしょうか。

 

眞田

最初はそこまで強く意識してはいませんでした。

車椅子バスケのトレーナーの任期が終了した後、昨シーズン島根スサノオマジックに加入しました。

島根スサノオマジックのスタッフと自分の知り合いがご縁があり、そこから募集している情報を知った事がきっかけです。

お話を聞く中でBリーグでトレーナーにも挑戦したいと思いました。

 

 

ちくわ

予防の観点ですとストレングスは非常に重要と感じます。

今現在、学生に関わっているのですがストレングスの部分ってまだまだ軽視されていると言いますか、筋トレすれば動きが重くなる等と言った間違った認識もあるかと思います。

プロの視点から学生にストレングスの重要性をどう伝えますか?

 

眞田

トレーニングをしても直ぐに結果が出るものではありません。

ストレングスに関してだけでなく、何事もですが継続をしていないと何も結果は出ません。

ではどうストレングスを促していくかと言うと、このトレーニングを行うと、こういったケガが防げるよといった具体的に説明する方法も取ります。

実際に選手たちにも、ジャンプの着地でこのトレーニングを行うと着地も安定し次への動作へ繋げやすいのと、膝や足首のケガも防げるよ!とお得感も一緒に伝えたりしています。

具体的に伝える方がイメージもしやすいので選手たちもしっくりきているなと感じます。 

 

 

ちくわ

どうイメージさせるかですね。

 

眞田

その通りです。

僕の様に前十字靭帯断裂のような大きなケガをすると復帰までも時間がかかります。

大きなケガで高校3年間しかない短い時間を奪ってしまうのはとてもつらいことなので、予防の大切さを伝えることはとても重要だと思います。

 

 

ちくわ

理学療法士目線で考えるとエクササイズに関して非常に弱い印象を持っています。

ストレングスを学ぶ重要性を再度感じています。

 

眞田

今は分かりませんが、自分が理学療法士での座学を経験していた時はトレーニングを学ぶ時間は少なかった印象ですね。

国家試験でもそんなにストレングスの要素の問題も出ないですし、教育システム上の問題で弱くなってしまっているのではないかと思います。

 

 

ちくわ

現場で活動している方は後で学んでいるイメージですね。

 

眞田

そうですね。

足りない部分は自分で学んでいかないと選手に還元していけないので。

 

PART.3

〜 リアル 〜 眞田 崇S&C part.3

2021年1月4日

 


ちくわ
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