福島
ここだけの話、2施設で迷っていました。
当時、大学院生の時に渡米前に大学の学長に呼び出されたんですよ。
たまたま応募した研究内容や渡米理由が書いてある書類を学長が目を通してくれて、一度話がしたいと呼び出されました。
福島
”君は10年、20年先を見ているから回りから理解されない事も多く辛かったやろ“
と言われました。
そのお言葉を頂いた時、理解してもらえた事が嬉しくて号泣しちゃいました。
当時は整形外科医としてのエリート街道を走ってて、突然辞めるなんて言ったもんですから心配する声なんかもあったんですよ。
でも私は手術以外で治す方法を追求したい!
と自分を貫き通して・・で、その渡米理由を書いていたら学長から応援してると言ってくれた事を帰国時に思い出しました。
福島
それで帰国した後、当時の大学院の教授に相談したら、学長と教授の計らいでリハビリテーション科に入職することになりました。ここで正式に外科に所属しなくなったということです。
私がオペをしないで治せると言ったので。(笑)
福島
入職した最初の2、3ヶ月は整形処方が出ているリハビリ前診察の時にリリース注射を打ったんですよ。
福島
そこから担当PTから
「あの固かった人がめっちゃ上がるようになっているんですけど、何したんですか?」
って反応があったのがきっかけで、そこからじわじわ広まって行きました。
最初は中高年とスポーツ選手と制限していたのですが、トレーナーさんからの紹介でドンドン来るようになって、今はスポーツ選手・愛好家の方だけです。
下はミニバス、中学・高校は高校バスケ、バレー、卓球、バトミントン、陸上、サッカーなどなど。
大学生が多いんですよ!
福島
中・高地方でエリートだった子が進学して京都の強豪校に入学するケースが多いんです。
大学で練習量が増えて古傷が悲鳴を上げて、紹介で治療に来るってパターンが多いですね。
地方だと、なお治療も疎かになってしまう部分が多いですもんね。
福島
大学のトレーナーと連携がある分、紹介しやすいというメリットもあります。
某京都の大学のトレーナーさんは治療技術も素晴らしくて設備もいいんですよ。
プチスタンフォードみたいな感じですよ。
福島
それってアメリカでは普通なんですよ。
アメリカでは病院受診する事が高額ですから。
スタンフォード大学は学生は宝で、トレーニングルームや治療・サプリなんかも無料なんです。
オリンピック選手輩出率が全米でNo1は伊達じゃないですよ。
その大学も確か無料なんじゃなかったかな。
福島
こういった事が当然の様になれば良いんですが・・・。
スポーツ選手を診るにあたって治療技術とかは後で何とかなると思っています。
でもマインドが違うと会話にならないんですよね。
PTがトレーナーとして活動なりスポーツリハに関わりたいのであれば、0からトレーニング学を学ばないといけないと思うんですよ。
僕もまだまだですが、同意見です。
痛いところが膝だったら膝しか診ないPTなんていっぱいますからね。
福島
でも、学校では習わなかったですもんね。
整形外科の授業もそうでしたよ。
膝が痛い原因が腰にあるとは、誰も教えてくれなかったです。
実際、エコーガイド下での注射って言うのを診たことが無いのですが、教えてもらっても宜しいですか?
福島
例えばバスケのある姿勢で痛みがあるとします。
痛いのがシュートの時だけ痛い場合、痛いところで止まってもらいます。
印をつけたりしながら、確認しなが原因を探っていく作業をやってます。
エコーを使って評価をして諸悪の根源を探していく旅ですよね。
で、その悪者に注射を打って答え合わせをしていくって感じです。
痛みを感じる部分に注射を打つこともあれば、悪影響をもたらしていると考えられる少し離れた部位に打つこともあります。
そこで楽になったらあとはリハビリで問題点を修正してもらうと言う流れです。
福島
注射が嫌な人は多いです。アスリートほど繊細で敏感ですから。そういった方には、まずキネシオテーピングから除痛を始めて、同じプロセスで諸悪の根源を探していきます。
なるほど。
PM&Rの治療概念はどういったものがあるんですか?
福島
神経学診断をもとに発展してきたPM &Rの治療概念は、日本の整形外科とは全く違っていて、治療の一つにさっきのエコーガイド下での注射、超音波ガイド下最小侵襲手術があります。
日本では全く馴染みがないと思うのですが、圧倒的に注射手技が多く、再生注射が用いられます。
全ては理学療法の治療効果を最大限に引き上げるための脇役なんです。
日本にいる時と全く違うことをするってなんだかワクワクしますね。
福島
日本じゃ異端児だったんですよ。
スタンフォードに行った私と同じ志の人が沢山いて、自分がやってきた事が普通に存在していた事が嬉しかったですね。
スタンフォードでの研究も認められて賞を受賞しました。
AMSSM(the American Medical Society for Sports Medicine 主にスポーツ医学の医師を対象にした学会)でも受賞されていますね。
福島
それが認められてピッツバーグ大学に呼ばれて行きました。
初めてのスタンフォードでの研究がこのような形で認められたと言うの感動としか言いようがないですね。ただ私1人での力で達成出来るものではなくて、教授、同僚全ての方に感謝しています。
アメリカでの研究の大きな違いは?
福島
スピード感ですね。
やりたい事があったら即行動でした。
やりたい研究があったら下書きを書いて、そこから皆んなで取り掛かってチームが出来るんですよ。イメージはオーケストラですね。
福島
そう。
〇〇先生に許可とった?とか一切なし!
同僚の上下関係もなく、指示される事を待つんじゃなくて自らの意思で考えて、ただチームの目標のためだけに行動する。
朝行って、帰る時は爽やかにお疲れ!って言える環境こそが仕事だと感じた瞬間でしたね。
お医者さんが楽しくないと患者さんも良くならないと思っています。
オンラインで先生に相談も出来ますよ!
こりゃすげぇ!!
スタンフォーフォード大学PM&Rスポーツメディスン科から日本に帰ってこられてから現在の病院を選ばれた理由というのはあるんですか?