〜 地域に根差すチーム作り 〜阿部 理一トレーナーpart.2

〜 地域に根差すチーム作り 〜阿部 理一トレーナーpart.1

2021年2月5日

 

ちくわ

今ほどトレーニングをしていなかった印象ですね。

 

阿部

そうですね。

トレーニングを勧めても「なんでこれするの?」と言った説明から必要でしたし、間違った知識を持っている選手が沢山いました。

正直言いますと、そういった教育面で時間が必要なくなったので今の方が楽ですよね(笑)

基礎教育をしっかりしてからプロの現場に来るので大学の力がすごいなと思います。

 

 

ちくわ

今ですと大学生ですがプロ契約をした東海大学の#19 西田選手もすぐにスターターとして活躍していますよね。

 

 

阿部

私も実は東海大学出身なんです。

それはさておき、大学在学中に医科学研究所というものが出来てそこからすごく発展しているので大学の素晴らしさを感じています。

#19 西田選手も東海大学で優勝を経験していますし日本代表経験もあります。

ポテンシャルも高くこれからが非常に楽しみです。

 

 

ちくわ

これからも大学卒業後、すぐに活躍する即戦力は多く出てくるでしょうね。

 

阿部

本当にそう思います。

プロ選手も負けてられないですよね。

リクルートも含め、強豪大学の選手が来たくなるチームにはなりたいですね。

 

 

ちくわ

今シーズン開幕前に特に力を入れて取り組まれた事はありますか。

 

阿部

毎年大きくは変わらないのですが、コンタクトに強くなると言うことは重点をおいて取り組んでいます。

よく“フィジカル“という言葉が使われますが、私はフィジカルではなくコンタクトに強い選手になってほしいと思ってます。

また垂直方向への動きも重点的に取り組んでいますね。

バスケットのコンディションでいうとランメニューがありますが、心肺機能が実際の試合に近い負荷でのトレーニングを行いたいと思っています。

この3点は毎年ブレることなく、軸として取り組んでいます。

 

 

ちくわ

コンタクトはW杯などでも日本代表、日本全体の課題として挙げられていましたね。

 

阿部

非常に重要な課題ですね。

コンタクトはアップの中でも身体をぶつけたりして刺激を加えたりもしています。

体幹トレーニングがアンダー世代でも流行っていますが、体幹トレーニングだけではコンタクトは強くなりません。

ぶつかり稽古とは少しニュアンスが違いますが、実際にコンタクトをしないと強くならないと思っています。

 

 

ちくわ

心肺機能に関してですが2013年にNSCAに寄稿されている記事を拝見しました。

現在もデータを取りながらされているのでしょうか。

 

阿部

Bリーグ1年目は測定していましたが、今シーズンは装着せず実施しました。

データを取る必要は勿論あると思うのですが、今回は選手の主観を大事にしたいと思いました。

経験則になるので賛否あるかと思いますが、ある程度これくらいの負荷であればこれくらいの心拍数だなというのも主観ですが分かってきたように思います。

 

 

ちくわ

長年の経験がなせる技ですね。

 

阿部

学生チームなど大人数であれば例えばシャトルランなどでガッと負荷を上げるのが効率良いかと思うのですが、Bリーグで15人くらいですともっとコンパクトに実施でき効率が良い方法で心拍数を上げれています。

 

 

ちくわ

今シーズンに関しては#14石井選手がACL断裂(前十字靭帯断裂)のケガがありましたが、数としては少ない印象を持っています。

年々ケガの割合としては減ってきていますか。

 

阿部

Bリーグ一年目の時はチームの移動などもあり環境面の変化なども影響したのか非常にケガ人が多かった年でした。

2年目、3年目と徐々にアジャストしてケガの発生割合を減らすことはできています。

実際に色々な方のサポートもあり助けていただいている事が大きな要因であると思います。

ただ、件数は少ないんんですが#14石井選手、あと#1星野選手も手術の適応となってしまい長期離脱の選手が出ているのは課題ですね。

プロは試合に出るという事が仕事になるので軽症でも重度のケガでも選手の思いを傾聴しながらですが早期に復帰できるようには取り組んでいます。

 

ちくわ

試合数の増加も大きな要因ですね。

 

阿部

そうですね。

やはり水曜ゲームがあると調整はなかなか難しいですね。

サッカーなんかは何日開けなければいけないといった規定がありますが、まだバスケは土日は連戦です。

上手く調整をしていくのもこれからの課題ではあります。

 

 

ちくわ

現在2週間のバイウィークを挟んでいます。今後Bリーグ後半戦に差し掛かりますが現在は疲労度などいかがでしょうか。

 

阿部

疲労でコンディションが悪いといったこともなく経過としては順調と感じています。

ケアに関しても選手の意識も高いので自身で精力的に取り組んでいるので自身のチームメイトを褒めるようですが、皆しっかりやっているな!といった感じです。

コンディションも良いので後半戦に向けて順調に調整が出来ているなと感じています。

 

 

ちくわ

今シーズンはHCも変わって体制も変わりました。

その際、トレーニングやメディカルに変化など出てくるのでしょうか。

 

阿部

HCが変わることで私のスタンスが変わることはありません。

勿論、HCが求める事もありますので、そこに関してはお互いの意見を交換します。

最終的な判断を下すのはGM、HCですがトレーナー側の意見を反映させてくれているチームには感謝しています。

チームがベストな選択が出来る様に全てのスタッフが協力してできていると思います。

 

 

ちくわ

スーパーリーグからbjリーグ、そしてBリーグと日本のバスケットボール界に携わられている阿部さんの目から見た変化はどのようなところでしょうか。

 

阿部

全てにおいて変わりました。

選手に関してもチーム、施設面、トレーニングやケアに対する意識、またがリクルートなど全て含めて変わりました。

外国籍選手に関してもレベルも上がりました。

また帰化選手も増えました。

大学から来る選手も練習に参加してもすぐに対応します。

リーグが変わることにチームも対応しなくてはいけません。

そのため我々も日々アップデートしています。

地方クラブは大学とも今後はより強固な関係性を築くことも重要と個人的には思っています。

 

 

ちくわ

徐々にバスケ界もピラミッド型に近づいているのでしょうか。

 

阿部

新潟ですとNSGグループに新潟医療福祉大学があります。

高校ですと開志国際高、帝京長岡高校など強豪校があります。

ですが地域と組織としてピラミッドのような形になっているかと言われるとまだそのような形は形成できていません。

新潟アルビレックスBBにもU15、U23とありますがそことの連動性はもっと強くしたいですね。

 

 

ちくわ

アンダーチームとトップチームは関わりはあるのでしょうか。

 

阿部

勿論ありますよ。

夏に合同練習をしたり、HCや青木ACがアンダーチームに指導に行くこともありました。

また地域でいうと新潟医療福祉大学だけでなく他の大学とも交流や情報交換など出来たりすることが今後の理想ですね。

これは地方ができる強みだと思っています。

〜 地域に根差すチーム作り 〜阿部 理一トレーナーpart.3

2021年2月9日

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