写真提供元:千葉ジェッツふなばし様
※提供頂きました写真は2019-20シーズンに撮影されたものです。
池田
例えば一例なんですが、千葉ジェッツのユースに斉藤楓というトレーナーがいるんですが、元々は別のチームでトレーナーをやっていました。
21歳の時に就任したんですが、それって卒業と同時なんですね。
2年目から1人になったんですが、実際22・23歳で任されても何も出来ないんですよ
彼は上の人に頼る事ができる素直さがあったのがかなり良かったんですよ。
2年前にジェッツの試合を観に来てくれて、僕の仕事が終わる23時まで待ってくれたんですよ。そこから色んな現場の話をしたんですが、25時くらいまで話をしてそこからまた帰って行ったんですよ。
池田
それが2、3回あったんですが、すごく熱量のある子だなと感じていました。
そういう若手の子達を救っていくのが中堅である僕らの仕事だなと感じています。
僕は、彼の熱意が好きだったのでユースのトレーナーを探すとなった時に、会社の方に推薦させてもらってうちに来てもらったという経緯があります。
そういったご縁があったんですね。
池田
若手を雇うのはトレーナーに対するサラリーの問題もあると思います。
特に今コロナの影響もありますから。
現状の経営体制の中で、若手を雇う選択をするチームもあるかと思います。
そんな中で、リーグ内のトレーナー達で何かサポートができないか、現在検討中です。
勿論、リーグにも認めてもらう必要があるので、まだまだ戦略を練らないといけませんが。
それとは別の枠組みだと思うのですが、以前僕も参加させて頂いた池田さん主催の池田塾があります。
その池田塾が生まれた経緯を教えてください。
池田
これが生まれた理由は間違いなくコロナの影響です。
元々千葉ジェッツにTSR専門学校さんとCMCグループさんから年間10名ほどインターンを受け入れています。
コロナの影響を鑑みて、双方の安全性を守るために2月末くらいからインターンをストップさせてもらいました。
彼らがウイルスに感染して学校や院に持ち帰ってしまったり、逆も然りで千葉ジェッツ内でウイルスに感染するわけにもいきません。
1ヶ月近く彼らと会わない期間が続く中で自分に何かできないかと模索していました。
ちょうど僕もコロナの影響で自粛している時に、オンラインセミナーが多かったので、
そこからヒントを貰って第1回目の開催は近況報告を実施しました。
なるほど。
池田
その時は急遽開催して6人くらいだったんですが、
「これ勉強会として開催したら面白いよね!」
って感じましたね。
ただ、これは学びの場として自粛期間にも繋がりながら学べるというのがメインの理由と見えて、実はサブの目的なんです。
と、言いますと?
池田
本当は僕が勉強したい!(笑)
裏テーマですね!(笑)
池田
そう!
自分が勉強したい事をみんなで共有して、興味がある人たちで集まれば面白いんじゃないかというのがきっかけですね。
ちなみに第2回目はどういったテーマで開催されたんですか?
池田
2回目はTwitterを活用してどう勉強していくか、どう情報共有するかといった話をしました。
そこからみんなTwitter活用していますね。
いいですね!
僕もTwitter活用して情報収集しているので大事な部分です。
池田
みんなに学びの場を作りたい!と言いつつ自分が勉強する場を作りたいというのが本音の所です。
分かります(笑)
このインタビューだって本音は僕が勉強させてもらっているので。
ちなみにですが、なぜ池田塾は日曜日の朝開催されているのですか?
池田
やっぱり朝が1番脳が冴えているから!
夜は皆んなお酒飲みたいですからね(笑)
滋賀で中山さん(TMG athletics代表)が早朝6時から行なっているオンライントレーニングに参加させて頂いて、そこからヒントを得ましたね。
元々、僕は朝派で学生時代も朝勉強していたんですよ。
それも理由の一つです。
なるほど。
池田
土曜日だと CMCの方々が治療院があるので月曜日から土曜日はダメだなって事で日曜日にしました。
でも日曜日だとTSR土日部の学生が授業だという事だったんですよ。
全日程だめじゃないですか!
池田
そうなんですよ。
9時10分から授業で、それまでなら参加出来るとの事で朝8時〜9時まで開催しています。
本当、参加してくれている学生はストイックで、事前に学校に行って校門の前で参加してくれる子や通学の電車から参加してくれていたりする子がいて頭が下がる思いですね。
池田
中には
“おばあちゃんの家に急に行かなければならなくなったけど、ビデオ・音声なしで参加してもいいですか?“
なんて子もいました。
そういう何がなんでも勉強してやろうって姿勢は大好きなので尊敬ですよね。
いや、それはすごい。
時間を大事にしている証拠ですね。
池田
こちらも見習う事が沢山あります。
ただ、チーム活動が始まったら土日に試合なんて事もあるので今後は何かしらマイナーチェンジが起こると思います。
それでも学びの新しい形を構築されましたよね。
講師の方も豪華ですし!
池田
人のご縁に感謝です。
雄姿で活動に賛同してくれていて講師を引き受けてくれていますし。
話が前後するのですが、インターン生に関しては多くの方が参加されていますが池田さん一人で管理などされているのでしょうか?
池田
基本的にはそうですね。
S&Cの多田も一緒に手伝ってくれていますが、AT・鍼灸師・柔整・理学療法士が多くてメディカル要素が強い方が集まっているので僕が担当するケースが多いですね。
後輩を育成する立場、指導する立場にあると思うのですが教育において池田さんが大事にしている事はなんですか?
池田
ずっと言い続けているのですが、とにかくチャレンジしなさいという事ですね。
僕が出来る事は彼等のチャレンジした事に対して責任を取る事なので、どんどん自分たちで考えてアイデアを出して挑戦して欲しいとは思っています。
なので、これしろ!あれしろ!と言ったことはほとんどないです。
分かりやすいのは選手とのコミュニケーションの部分で、自分から行かないと選手は来てくれないよという事は伝えますね。
挑戦する環境を作ってくれているのはありがたいですね。
池田
行動しない限り何も生まれないと思っています。
なのでそういった事が先ず伝わればいいな、伝わるように指導は意識していますね。
正直、テーピングの巻き方・評価の仕方は二の次で、トレーナーという仕事を通してコミュニケーションの取り方、人としての付き合い方のスキルを学んで貰える事が僕の所へ来て貰っている意味だと思っています。
やはり挨拶や礼儀だったりヒューマンスキルの重要性ですね。
池田
そこが全てですよね。
仕事自体はそこで完結する部分があります。
インターンの打ち合わせで“テーピングが巻けないんです力になれるか分かりません“なんて言われたりするんですが、テーピング巻けなくても全然OKですと伝えます。
挨拶が出来るとか、選手に目配りが出来るなど、人としてあるべき姿を持っていてくれれば大丈夫ですと伝えます。
“育てる“という言葉はあまり好きじゃないので、インターン生にはそういった事を感じて貰える場にしていきたいとは思っていますね。
なるほど。
若手にとって先輩の経験談はかなり勉強になりますもんね。