写真提供元:千葉ジェッツふなばし様
※提供頂きました写真は2019-20シーズンに撮影されたものです。
池田
大野HCとはパナソニック時代からのお付き合いで、その時に言われた言葉なのですが、
“選手に気を使われるようなトレーナーはいらない“
と言われた事があります。
とにかく選手に寄り添って仕事をしろと言われてから、自分の中でベースとしてあります。
選手に対してトレーナーはオンコートでも、オフコートでも特に関わるポジションなので、バスケの事だけじゃなくプライベートの事もよく話したりします。
選手に気を使われてしまうと、実際持っている悩みや痛みも話せなくなってしまって問題を伝えてもらえなくなりますよね。
なので気を使われないようにフラットな関係、同じ目線で一緒に仕事を出来たらいいなとは思っています。
同じ目標に対して一緒に走っていく関係、伴奏者と言った感じですね。
SNS上でしか見えていないですが千葉ジェッツの方々はすごく仲が良さそう、雰囲気も良さそうなイメージがあります。
Twitterも個人的には好きです(笑)
チームの仲のよさに関して、池田さんが思うジェッツの秘訣なんかありますか?
池田
会社全体として選手・スタッフ間でコミュニケーションが取れているチームだと思っています。
コーチの方針の一つだと思うのですが、チーム内でもメリハリがあってオンオフしっかりしています。
そうやって仕事させて貰ってる分、オフコートだと選手とたわいの無い話もし易いですし、選手もリラックスした感じでいてくれます。かなり良い環境だと思っています。
秘訣に関しては・・・
やっぱりこれって何かして出来るものじゃないですよね(笑)
ですよね(笑)
池田
人間関係だと思うので、そこに集約するかなと思いますね。
自然体にいれるのが千葉ジェッツの秘訣じゃないでしょうか(笑)
ありがとうございます。
これまでは千葉ジェッツでのお仕事についてお話を伺いました。
ここからは池田さんの過去を振り返った質問をさせてもらいます。
池田さんがトレーナーを目指し始めたのはいつからなんですか?
池田
高校2年生の時に膝の半月板の手術をしました。
キャプテンになって新人戦の予選の時に怪我したんですよ。
それまでは自分の恩師に憧れて学校の先生になりたいな、なんて思っていました。
怪我をし手術をした後、お世話になった理学療法士の方の仕事を見て、こんな仕事があるんだと知りました。
その後、接骨院に通ったりもして、そこでバスケに関わる治療ができる人間になろうと思ったんですよ。
池田さんの通っていた高校は強豪だったとお聞きしています。
バスケでは進路は考えていなかったんでか?
池田
強豪校では無いです!(笑)大阪でベスト8くらい、近畿大会に出場したくらいでした。
実際、バスケで大学に進学の話はあったんですよ。
ただ当時bjリーグもまだ無くてJBLしかなかったんですよ。
かなり狭き門でしたし、バスケ選手になるって言うのも考えていなかったんですよね。
なるほど。そこから柔整の学校に進学されたんですね。
池田
そうです。
途中から鍼灸にも興味を持ち出して、そのまま鍼灸科に進学してと言った感じですね。
卒業されてからはどう言った進路を歩まれたんですか?
池田
柔整の学校を3年で卒業した後、そのまま鍼灸の学校に行きました。
その鍼灸の学校を卒業して、2ヶ月後の5月に独立したんですよ!
え!すごい!!!
池田
地元でビルの2Fにベッド2床で鍼灸接骨院登録して開業しました!
新卒で就職するのも勿論考えたのですが、自分の技術を高めたいと言う気持ちもあり、だったら開業しちゃえ!って言う若気の至りですよね(笑)
勢いで開業しちゃいました。
それこそ先程インターンの時にお話して貰った挑戦心ですね!
池田
今思い返すとバカですよね(笑)
3年から5年やってプロスポーツのチームの募集があれば飛び込もうと思っていたのですが、開業して丁度1年後ですね。
パナソニックのトレーナーに空きが出たと知り合いから聞いてすぐに飛びつきました。
とんとん拍子ですね!
池田
当時パナソニックのHCは清水さんだったんですよね。
何とかして自分を知って貰おうと思って色々考えたんですが、高校の恩師が清水さんの日体大の後輩に当たる方だったんですよ。
これはまたすごい偶然が。
池田
とりあえず履歴書を出して、高校の先生に連絡したんですよ。
この時点で先生の方から一言言って貰えないかな・・・なんて気持ちがあったんですが、先生の方から“清水さんから連絡もらったぞ!“って言ってくれたんです。
清水さんが履歴書を見て、先生の教え子という事で、どんな人間かを聞くのに連絡してくださったみたいなんですよ。
これもまたドラマのような・・・
池田
その時点でほとんど決まってたみたいなんですよ。
本当に人のご縁でこの業界に入らせて貰ったっていうのは感じますね。
それで、いざ面談だ!という事で、行った時に清水さんに2つだけ聞かれました。
何を聞かれたんでしょうか。
池田
一つ目が“テーピングはできるか“、
二つ目が“鍼はできるか“
と言う事を聞かれました。
両方できますと答えると、じゃあいつこれる?と言う感じで、これぞとんとん拍子ですよね。
スピード感がすごいですね(笑)
池田
びっくりですよね。
僕もこんなんで決まるの?なんて思っていました。
どういう人間か、キャリアも何にも知らないのに逆に大丈夫かって思っていたんですが、最後に一言
“君の親父(高校の恩師)の顔に泥を塗らないよう、頑張ってくれよ“
と先生の事を信用して採用したからなと言う事を伝えられました。
深いですね。先生には頭が上がりませんね・・。
池田
本当そうです。
そもそもなんですが、高校から柔整の学校に進学する時に実は先生からすごく反対されていたんですよ。
トレーナーの業界なんて一握りしか飯なんて食えんぞと、大学でバスケして仲間作って仕事をしたらいいんじゃないのかと当時はアドバイスをいただいたのですが・・・僕は自分のやりたい事を貫くタイプだったので
“この道に進みます!パナソニックのトレーナーになりますから!“
と先生の反対を押し切って進学したんですよね。
だからパナソニックに入れたのは先生のお陰なんです。
おおお。これは素敵なお話しですね。
池田
本当に感謝しています。
今でも毎年大阪に帰ったら先生の所へ会いに行かせて貰っています。
大阪を離れる前に、パナソニックで優勝した時にも挨拶へ行った時に喜んでもらえたことは今でも覚えています。
Part.4(8/4)公開
試合中などコミュニケーションを取ると思うのですが、選手とコミュニケーションを取る際、こういった事を意識しているといった事はありますか?