写真提供元:千葉ジェッツふなばし様
※提供頂きました写真は2019-20シーズンに撮影されたものです。
池田
これもご縁です。
パナソニックが無くなるのが決まった時、折角掴んだ夢が2年で終わってしまうのは不本意で、周りにも相談をしたり次のチームを探していました。
東芝のトレーナーの吉岡さんにもパナソニック時代からお世話になっていて、いろんなお話を伺い、相談もさせて貰っていました。
何なら自分を売り込んでいた時期でした(笑)
天皇杯を優勝した直後に連絡をいただき、東芝へ入団させていただく事になりました。
ご縁も大事ですが、実現したい事を声に出すって大事ですね。
池田
その通りだと思います。
学生時代から「パナソニックでトレーナーをしたい!する!」と言っていた事を覚えていた友人が思い出してくれて連絡をくれました。
やっぱり声を出すのは大事です。
そこから2016年に千葉ジェッツにですね。この経緯は?
池田
東芝ブレイブサンダースというクラブは伝統ある素晴らしいクラブです。
北HCや吉岡トレーナーをはじめ、素晴らしい選手・スタッフの方々と何事にも変えられない3年間を送らせて頂きました。
しかし、東芝3年目の時にキャリア・競技も含め色々考えたいという理由からチームを出る決断をしました。
3年間アシスタントとして働いていたのですが、いつまでもアシスタントではいけないなという思いがあり、ヘッドトレーナーとして活動できる他のバスケチームか他競技も含めチャレンジしたいと検討するようになりました。
なるほど。
池田
それでも中々決まらなかったのですが、16シーズンから千葉ジェッツのHCに大野さんの就任が決まりました。
その前から大野さんとは連絡を取っていてチームを離れる事なども話をしていたのを覚えてくださっていて、「千葉ジェッツに来るか」と声をかけていただきました。
パナソニックで一緒に働いた経緯がここでも繋がるんですね。
池田
ご縁ですね。
パナソニック時代から大野さんにはお世話になっていて、厳しくも優しくしていただいた仲でした。なので「是非一緒について行かせてください」とお伝えし、千葉ジェッツに入団することが決定しました。
ご縁もですが、池田さんの人柄があってこそですよね。
池田
いや、そんなに大した事はないです。
その2016年に入団した方っていうのは今でもジェッツを支えている方ばかりですよね。
大野HC、池田さん、多田S&Cなど屋台骨ですよね。
池田
そうですね。
そこからコーチ陣などはほぼ変わりなく安定していますね。
池田さんのキャリアでパナソニックで天皇杯優勝、東芝時代にリーグ・天皇杯含め3回優勝、千葉ジェッツでも天皇杯3回優勝と計7回優勝しており、勝たせるトレーナーというイメージがあるのですが、その勝たせる秘訣を皆さん聞きたいと思うのですが!
池田
僕は何もしていません。
素晴らしいチーム、選手がいる所で仕事をさせて貰っているので僕の力では絶対ないです。
烏滸がましくて言えません!
ただ、勝っているチームのメンタリティーだったり、優勝してあの景色を知っているからこそできる努力があります。
そこは自分の強みだと思っています。
パナソニック時代に初めて優勝した時に見た景色は鮮明に覚えています。
東芝・千葉ジェッツで沢山の勝利を経験させてもらったのですが、何度体験してもあの景色やあの瞬間はたまらないんです。
あの景色がまた見たくて頑張れるって言うのは僕の中でモチベーションなんですよ。
頑張る事は苦じゃないの?なんて言われますけど、僕は苦じゃ無いです。
やはりあの景色をまた見たいって言うのに限るんですよね。
なるほど。
優勝・・・味わってみたいですね。
ではチームにとっての池田さんの存在意義とは?
池田
自分が勝たせているとは一切思ってはいないんですけど、僕がいる存在意義っていうのはチームが勝つために必要だと思っています。
それは僕だけじゃなく、選手・ブースター・他スタッフも含めてです。
それぞれが役割が違うだけでみんな勝つために何をするかを突き詰めるためにやってると思っています。
勝者のメンタリティーを知っているというのはアドバンテージですよね。
池田
その通りですね。
常勝軍団と言われる所以ってそれを知っているか知らないかの差だと思っています。
その差は大きいですね。
最後の質問になりますが、ブースターにも役割がとの事ですが、ブースターさんに勝つための何かと言うことや伝えたい事はありますか?
池田
選手を裏方でサポートをする仕事をしていて、選手のパフォーマンスを上げる事が自分のやりがいだと最初は思っていました。
でも千葉ジェッツに来て毎年感覚が変わるんですよ。
どう変わったんですか?
池田
ブースターの方々の喜ぶ顔を見るのがやりがいだと感じるようになりました。
例えば怪我で長く休んでいた選手がコーチに呼ばれると会場がどよめくんですよ。
ジェッツブースターの復帰する選手にかかる大声炎を聞くと、選手のそれまでの努力とかを見てきてるので、こんなに待っててくれている人がいたんだ・・・と実はベンチで泣きそうになってるんですよね。
うん。歳ですかね(笑)
でもあの歓声は僕にとっても生き甲斐となってます。
いや、素敵ですね。
千葉ジェッツの大声炎すごいですもんね。
池田
すごいですよ。
僕の仕事に対するやりがいを変えたのはブースターの方々なので本当に感謝しています。
特に怪我明けの選手には皆さんの声ってすごく届きます。
それがエネルギーとなって良いパフォーマンスを魅せてくれると思うので、最大限の声炎を送っていただければと思います。
今後も千葉ジェッツの応援をよろしくお願いいたします。
池田さん素敵なメッセージありがとうございました。
さいごに
今回のインタビューでは池田さんから人と人とのご縁について深く考えさせられた内容となりました。
特に池田さんのキャリアについては人との偶然の出会いや予期せぬ出来事において
柔軟に受け止められている、楽しまれている印象を受けました。
また同じキャリア(今回で言えばトレーナー)を歩まれている先輩や信頼している上司との関係性などからも池田さんの人間性を感じる事が出来たように感じます。
立場は違いますが、僕も同じ医療人・選手に関わる人間として改めて人と人とのご縁を大切にしなければと再認識できました。
最後になりましたが池田さん、千葉ジェッツふなばし様ご協力ありがとうございました。
恩師との関係性素敵ですね。
ここから2013年、川崎(当時、東芝ブレイブサンダース)へ入団されますが、大阪から川崎へ行かれた経緯はどういったきっかけがあったんでしょうか。