写真提供:滋賀レイクスターズさま
※このインタビューは21−22シーズン開幕前に実施したものです。
小林
メインはケガに対しての仕事です。
ケガの応急処置から復帰までのリハビリといった所です。
もう少し詳しく掘り下げると予防のためのテーピングなんかもそうですね。
あとは選手の入団時にテストを行ったり、メディカルチェックの管理なんかもしています。
小林
沢山ありますが、メディカルスタッフの仕事として特に大事だと感じるのがやはり対応。
ケガだけでなく、急性のそれこそ命にかかるような事故や病気に対しての準備はすぐに関われるようにしています。
人命を救うために行動する、それが一番大事な所だと思っています。
小林
2種類のファンクショナルテストのみテスト項目として実施しています。
足部や膝、股関節、腰の異常なんかを簡易的にチェックしています。
大きなケガの原因になる前にスクリーニングとして実施し弱点を補強して置きたいなと意味で実施しています。
あえて2項目しか行わない理由なんかもあるのでしょうか。
私もチームに関わる身として興味があります。
小林
沢山テストを行う事で詳細に見極める事ができるとは思うのですが、多くのテストをやるとそれこそ沢山の問題が見つかります。
そうすると多くの問題点に対して多くのアプローチが必要になります。
多くの問題を見つけ、全てに介入し改善するよりも、大きな怪我につながるようなところだけ改善することのみに重点を置いています。
また症状のないところへ無理に介入することで、パフォーマンスへの影響や逆に怪我の原因になることもあります。
トレーナーの自己満足になってはいけないと思っています。
選手にも負担がかかりますし、一人当たりの時間も増加傾向になります。
そうするよりは簡易でスクリーニングを行い絞ってアプローチを実施する方が良いと考えています。
なるほど。
確かに多く行う事の弊害もありますものね。
小林
関わるスポーツによって項目は変わると思います。
そのスポーツの特性を理解し、特に防ぎたいケガは何なのか見極める必要があると思っています。
関わる上で長期離脱になってしまう様なケガ、それこそアキレス腱断裂や膝の前十字靭帯の損傷なり断裂は防ぎたいです。
あとは足首の捻挫のリスクをどれくらい減らす事が出来るか。
簡単な説明にはなりますが、そこで2つの項目をチェックするようにしています。
勿論、チェックの他にも脳震盪のベースラインやケガの既往を聞くのは大前提です。
ありがとうございます。
滋賀レイクスターズのメディカル体制を具体的にお聞きしてよろしいですか。
小林
チームスタッフとしては僕とS&Cの小田さんも実はATの資格も持っておられるので緊急時は一緒に対応していただく形です。
チームドクターはbjリーグ時代からお世話になっている整形外科医の北村先生がサポートしてくださっています。
今シーズンからは新しく大津市民病院とも連携を取らせていただくことになりました。
小林
医療体制を整えるのは本当に重要な事です。
北村先生が整形のドクターとして関わって頂いてますが、今後は内科医や神経外科医のドクターとも連携できればなと思っています。
欲を言えば全ての科のドクターとですけど(笑)
小林
昨シーズンは皮膚科系の疾患の痛みで悩む選手もいました。
最終的には復帰できましたが、信頼できる先生と提携できているだけでも復帰までのプロセスが違うんだろうなと言うのは痛感しました。
その時は皮膚科のドクターですし、耳や鼻だったら耳鼻科のドクターですし、やはり多くの先生方と提携することが選手のためになるなと痛感しました。
あとは脳震盪。
いろんな人が最近は認知されてると思うんですけど、脳震盪を甘く考えないでほしい。
やはり頭部は見えない所なのでしっかりドクターと連携を取って復帰までのプロセスを正確かつ慎重に行いたいですね。
脳震盪は学生カテゴリーだとまだまだ軽視されています。
と言うより分かっていないに等しいのでしょうが。
小林
今の脳震盪のプロトコルだと大人に対してであれば最低1週間のプロトコルを組んで復帰させる事が多いです。
学生カテゴリーですと、次の日に競技復帰するという事もザラにあります。
そもそも指導者や保護者が脳震盪だと気づけないケースもあります。
指導者・親御さんも含め、みなさんに理解していただきたいなっていうのはあります
僕自身、脳震盪に苦しんでるアスリートかなり見ているので1回無理しちゃったことによって一生を苦しんでる人も見ているので、気をつけて欲しいなっていうふうに思います。
勿論、保護者・指導者だけじゃなく選手自身もを知っておく事は非常に大事なことです。
僕たちトップリーグのトレーナーがそういった啓蒙活動をしなくてはいけませんよね。
Part.3 11/15公開
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名古屋Dのアスレティックトレーナーが「脳震盪がどれだけ怖いものかを知ってもらいたい」と自身の経験を語ってくれました。脳震盪だと思った時は無理せず、周りの人にその疑いがある時は絶対に無理をさせないのが大事。慎重すぎるほど慎重な行動を是非お願いします!#Bリーグhttps://t.co/uU4vYZCZ0W
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