【日本バスケ協会副会長・兒玉 幸長】バスケの話をしよう。 part.3

【日本バスケ協会副会長・兒玉 幸長】バスケの話をしよう。 part.2

2019年8月24日

 

 

ちくわ

歴史があるから、今バスケが出来ている。

こういった教育的な視点でバスケを考えたことがなかったので新鮮です。

 

日本のバスケの教育は世界的に考えてどうなんでしょうか。

 

兒玉

これは全国的な話になるんですけど、ミニではボールの大きさ・リングの高さが違うんですけど、これって日本だけなんですよ。

 

 

ちくわ

そうみたいですね。

これは何故なのでしょうか。

兒玉

これは教育的な配慮もあるんですけど、世界に目を向けると小学校の時からバスケットをやっている時に、12歳の壁といっていきなりボールの大きさや高さが変わります。

これから少子化になって2030年には今の子供たちの数は大幅に減少します。

 

そうすると、これだけ東京オリンピックで色んな種目があるのに分散しちゃいます。

バスケットだけの話をすると、これから沢山の子供たちにバスケットをしてほしいのに分散する事は世界にまた遅れを取ることに繋がります。

 

ちくわ
競技人口が減ることに繋がりますもんね。

兒玉

また、大きい子は始めからC(センター)とか小さい子はG(ガード)と決められていましたが、今はポジションを無くすではないですけど、何でもできる可能性のある育成、そういった取り組みも行われています。

 

ちくわ
ポジションのボーダレス化は大きく取り上げられいますね。

実際、僕はインサイドでしかプレイさせてもらえませんでしたし。

兒玉

あと、高校・中学でどういったことが起きているかご存知ですか?

 

例えば京都の大会で200点差といった試合結果がありました。

 

ちくわ
試合結果だけ見ました。

兒玉

負けチームの応援席を観るんですけど、保護者がやめてくれって顔をしていますし、その子らも全く楽しくないんですよね。

 

ちくわ
負けてるチームは早く終われなんて思っていますよね。

兒玉

そうなんです。

こんな負け方をした子たちがまたバスケをしたくなるでしょうか?

 

ちくわ
正直、嫌になりますよね。

兒玉

そうなんです。みんなで楽しくバスケをしたいのに、こんな点数がついてしまったら、その子らは心に傷が出来てしまいます。

これは制度が悪い。

 

今はクラブチーム化にして、リーグ化を提案しています。

 

例えば全国に出るチーム、洛南や東山が地区で一回も勝てないチームと試合をしたら、さっき話をした結果の様になるでしょう。

 

そうではなくって、洛南や東山をAグループ、地区で敗退するチームをCグループなどいった様に分けると、同じ力量のチームと試合が出来ます。

 

同じ力量のチーム同士が試合をすれば、技量の向上が考えれますし、何より力の差があるチームとの試合を避ける事が消化試合を防いでくれます。

 

特に女子は差がすごくて、片方は全国を狙って中学の強豪から集まったチーム、片方はバスケが初心者チームの試合なんて見ていられません。

 

 

ちくわ

これは今やってる地域リーグのことですよね?

まだ高校生だけのお話ですか?

兒玉

いえ、中学もですよ。

ただ、中々現場の先生からご理解を得られないんです。

 

学校教育の一環でもありますから、現場の先生の声としては

「東山や洛南と試合が出来ないじゃないか!」

と言った声も上がっています。

 

学校を背負って、と言う思いもあるのでしょうが、東山や洛南と試合した、という思い出作りのための試合と化してしまします。

 

そうなると点数も先ほどお話ししたように圧倒的な点差にも繋がってしまいます。

それではだめだよと今、発信しています。

 

ちくわ
難しい問題ですね。

確かに洛南や東山とやって引退すればあきらめも着くといった話もできますが・・・

大人のエゴといえばエゴなのかな・・・

 

兒玉

そこで終わってしまう選手を作る一要因になるのではないかと思っています。

やはり大人になってもバスケを好きで続けてほしいという思いがあるので。

 

あと、ミニではどのレベルまで技量を着ければいいのか、中学はどこまでなのか、高校はどこまでなのか、という指標と指導者の問題があります。

 

今、特に問題が多いのはミニバスケットです。

 

ちくわ
暴言や暴力、体罰問題でしょうか?

兒玉

そうです。

ミニバスは経験のある方がコーチとして入るケースが多いのですが、その人が指導者として適しているかと言う問題があります。

 

だけどバスケが好きで選手に上手くなってほしい思いも理解できますが、行き過ぎた行動につながるケースが多いです。

 

僕個人としてはミニはバスケを好きになる指導をしてほしい。

ミニでバスケを好きになったら中学でもバスケを続け手欲しいという願いがあります。

 

指導に関しては日本バスケットボール協会で指導の手引なるものを作りました。

競技力を向上することは必要です。

 

しかし、バスケを好きになってもらって、社会人にもなってちとせさんの様にバスケに関わってくれる子たちが増えることが私たちの夢です。

そのためにも指導者の指導というのも非常に大切だと思っています。

 

ちくわ
ライセンス制度もその一環ですか?

兒玉

その通りです。

やっと5万人に達成しましたが、まだまだです。

サッカーは10万人を超しています。

 

ちくわ
より海外の教育に近づいたという風に感じます。

兒玉

そうですね。

今までの根性論でなく、やっと指導者として指導を学ぶ、言葉で見せる、自分がやって見せるという指導が根付いてきたように感じます。

 

バスケを好きになってもらって将来的に別の仕事についてもバスケに関わりたい子供たちを育てたいですね。

【日本バスケ協会副会長 兒玉 幸長】バスケの話をしよう。 part.4

2019年8月26日

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