眞田
関わるだけならなんとでもなるかなと。
選手は理学療法士なのかとかアスレティックトレーナーなのかとか細かい違いをそこまで気にしていないと思うんですよ。
その人が何ができるかが重要だと思っています。
話はそれましたが理学療法士としてではなく、現場に行って選手に名前を覚えてもらうためにコミュニケーションを取ったり、ドリンクを渡したりと一緒に過ごすひとりとしての行動も率先して行う必要があると思います。
選手だけでなく監督やコーチ、スタッフとも関わりますし、細かな気配りを行ったりする事が大事だと考えています。
これを面倒くさがってしまうと求められる人材にはなれないと思います。
現場に「求められる人」と「関わりたい人」とでは大きな違いがあると思いますね。
コミュニケーションの部分は非常に重要ですよね。
選手やスタッフと信頼関係を築くためにはどういった事が重要になりますか。
眞田
練習後や次の日などのちょっとしたコミュニケーションの積み重ねだと思っています。
僕が意識しているのは練習の日は全員に声をかけてみようと心懸けています。
あとは選手が言葉に発した事を覚えて別の日に確認したりもします。
些細な日常会話が重要かと。
なるほど。
眞田
コーチや監督に対しては業務的なことはなるべく早く伝える。
聞かれる前に報告することなどは心掛けています。
相手が求める事を事前にですね。
眞田
そうですね。
だからこれといって珍しい事はしていません。
当たり前の事を当たり前にやる。
難しい事ですがこれが一番大事です。
理学療法士時代はクリニックで働きながら、車椅子バスケットボールのサポートをされていました。
働き方としてはどういった形態をとられていたのでしょうか。
眞田
月曜日から水曜までクリニック働いて、木曜は午前中まで仕事をしてから千葉に移動して17時から21時まで練習のサポートをしていました。
そして金曜日もクリニック、土曜は半日働いて再び千葉へ練習に参加していました。
試合がなければ日曜日は休みといった感じでしたね。
神奈川から千葉への移動が大変ですね。
眞田
そうですね。
翌日仕事となると21時に練習が終わってそこから2時間ほどかけて帰宅していました。
今思うとよくやっていましたよね(笑)
パラリンピックなど海外や遠征の際はどうされていたのでしょうか。
眞田
日本代表活動期間は、協会から派遣依頼が届いていたので、職場はお休みを頂いて遠征などに帯同していました。
合宿は約1週間、海外遠征は長いと3週間になることもありました。
海外への遠征など想像がつきませんが、どの様な点が大変でしたか。
眞田
国内での移動と比べ海外への移動は長時間のため、過去に褥瘡ができてしまったことがある脊髄損傷の選手などは特に注意が必要でした。
車椅子バスケットボールのトレーナー時代は海外遠征時、私1人で行っていました。
今はストレングス&コンディショニングコーチなので立場は少し違いますが、宇都宮ブレックスの様に分業化していなかったので大変でしたね。
1人だと本当に大変ですよね・・・。
眞田
その通りですね。
今は分業化されている事で自分の役割に集中して仕事ができます。
選手に対しての対応も待たせてしまう時間を少なくできたりするのが何より良い点ですよね。
宇都宮ブレックスに来られてから、環境面であったり感じる部分は何かありますか。
眞田
宇都宮ブレックスは強豪で歴史もあるチームです。
勝者のメンタリティーを持っていて選手一人一人の意識が高いですね。
話をしていてもバスケットボールに対しての情熱が熱く、自分の考えをそれぞれが持っていて様々な考えを知ることができています。
宇都宮ブレックスは30代が6名、40代が2名在籍していて、経験を持った選手が多くいる事で日常生活での取り組みなどが徹底されているので、正に強豪という言葉がマッチしているなとここに入って感じました。
#0 田臥選手もですが#4 ギブス選手も40代に見えないですよね。
眞田
エネルギッシュですよね。
この対談前にも#4 ギブス選手とウェイトで会いましたが、本当に楽しそうにトレーニングしていますよ!
あのサイズでインサイドで暴れる理由ですね!
今現在、バスケットボールに対する注目度も増している中、眞田さんの様にストレングス&コンディショニングコーチやトレーナーにも興味を持たれる方が増えている印象です。
今後さらにバスケ界全体を通して裏方であるスタッフの重要性は増すと考えていますが、眞田さんはどうお考えですか。
眞田
バスケ界が発展すればする程、選手の競技力が向上すればする程、選手のサポートも増やす必要があると思います。
そうなると必然的にトレーナーなどスタッフの重要性も増します。
私たちの様な理学療法士を例に考えると、理学療法士を目指す方ってスポーツをきっかけに進学する方が多いですよね。
進学後もモチベーションを維持してできる環境を作っていく事が今後の役割かなとも思っています。
病院など医療機関への実習はベースを作る上でとても大事ですが、学生など希望者にはスポーツチームへのインターンの様なシステムも今後増えていけばスポーツに対する情熱を維持できたり、何がスポーツ現場で求められているか具体的に感じられることができるかと思います。
プロの現場でなくても学生スポーツなどと養成校が協力関係になれば理想ですよね。
AT養成校などはその様なカリキュラムもありますもんね。
眞田
そうですね。AT試験を受けるために現場実習を行うことが定められていますよね。
理学療法士ですと進路が病院関連が多くなりますが、プロチームと契約できれば夢が広がりますよね。
学生のうちからスポーツ現場に関われる環境があればいいですよね。
理学療法界隈でいうとメディカルサポートや大会のサポートなど、野球やサッカーは増えた印象ですがバスケって少ないですよね。
眞田
バスケの競技人口は増加しているのですが、
まだまだバスケに関わる医療者といった枠組み自体は少ないですね。
個人的には裏方であるトレーナーやストレングス&コーチ等、全体を通してバスケットボール界を支えれればなと思います。
最後に宇都宮ブレックスでの今後の展望をお願いいたします。
眞田
そうですね。
今現在、チームとしても勝ち星を多く獲得できている状況です。
このまま何事もなくシーズンを終える事が1番の目標ですが、トラブルが起きてもチーム全体でカバーできる様にしたいですね。
私としては選手のコンディショニングをしっかりと整えてシーズンを乗り越えられる様、頑張ります。
今後も宇都宮ブレックスの応援をよろしくお願い致します。
眞田さん、宇都宮ブレックス様
ありがとうございました。
理学療法士の先輩でもある眞田さんにお話伺いました。
トレーナーを目指している理学療法士、ストレングス&コンディショニングコーチに興味を持った理学療法士・他の職種の方に学びがあれば幸いです。
またファン・ブースターの皆さんにはこういった裏方の情報を知ってもらう事で、試合観戦する際のポイントがまた増えると思います。
メインは選手ですが、トレーナー側の活躍も今後チェックしてみてください!
実際、スポーツに関わりたい理学療法士は多いですが眞田さんはどの様なマインド・姿勢は必要になってきますか。